■2006.11月 NO41

山も雪化粧 二十四節気とはよくできているもので、立冬にみぞれ混じりの小雨が降り、その日を境に寒くなりました。鏡島大橋から見える美濃最高峰の能郷白山(1,617m)も積雪し、今年も紅葉を楽しむことなく冬の到来です。森のすみかの薪ストーブも煙突掃除を済ませ、今年も動き出しました。先日の薪ストーブのイベントでは50人を超す参加者の中、30枚ものピザを焼くという過酷な滑り出しをした薪ストーブはこの冬も活躍してくれるでしょう。昨年は12月に記録的な大雪でした。今年も梅雨の豪雨や竜巻など、自然の猛威が吹き荒れていますので、冬支度をお早めに!

 

隣の革命児 8月のこと、長野で現職の田中康夫氏が敗れた。田中氏が掲げた”脱ダム宣言“はその考えが他の地方にも及んだし、ガラス張り知事室や記者クラブ廃止、そしてしがらみのない活動は新鮮でした。選挙は勝手連やボランティアの草の根で、選挙カーでの名前の連呼もなく、舞台の壇上ではなく車座スタイルを貫いたという。しがらみがないから、公共事業で膨らんだ県の借金を減らせたし、福祉や教育の予算を厚くし、小学校の30人学級など意欲的に政策を進めることができたとも言われます。しかし、あまりにも政策が偏ったり、個人が目立ちすぎたりしたため、県議会だけではなく、主役である県民からも離れられてしまった。反対する人と対話をせず、独断で進めてきたツケがまわったのでしょうか。靖国を心の問題として説明をせず、ほとんどの新聞から批判された頑な姿勢の前小泉首相にもちょっと似ている気もします。盟友のブッシュさんにもイラクのツケがまわってきたのに、昨年の郵政一本の選挙のツケを安倍さんに任せて退いた小泉さんは上手すぎ? 

本当のことが知りたい!  ベストセラーの「食品の裏側」を読みました。以前の「買ってはいけない」シリーズ本もよく売れたが、内容が違う。バリバリのビジネスマンとして頑張り、“食品添加物の神様”と言われる程白い粉に精通し、安価で簡単に食べ物を作れる冷凍食品やレトルト食品などの多くに関わったという筆者が、今度はその危険性に警鐘を鳴らす。「調味料(アミノ酸等)」の“等”が、嫌がられる「グルタミン酸ナトリウム」(化学調味料)などの隠れ蓑としてメーカーが便利に使っている事実などの紹介もあるけれど、体の中に入るものなのに知らされていないことが多すぎます。鳴りを潜めている牛肉でも、米国産を家庭では「食べない」選択が出来るが、外食や、弁当ではできません。そして、気になる話がメキシコ経由の米国産牛肉。メキシコではBSEは発見されていないが、米国牛肉輸出の70%を占めていて、メキシコ産牛肉の日本への輸入量の推移は何と2001年 1t、2002年 7t、2003年 8t、2004年 2,758t、2005年 7,417tと急激な伸び。93年に、韓国でメキシコ産の牛肉に米国産のラベルが貼ってあった事件以降、韓国ではメキシコ産牛肉の輸入を禁止したという。♪今僕らが誰かに望むのは多分本当の事を話して欲しいだけ♪(サンボマスター)

“心もおいしいよ” 福祉関係の仕事をされているお客様と今の世の中のキーワードで話が合いました。それは、「心を込めて」「つながりを大切に」です。今は相手の顔も、声さえもわからず物が売買できる時代です。何かを調べたり、探したりすることもPCで検索です。商品などの感想まであってよくできているな、できすぎて作ってない?とも思えるほどです。職人の魂を込めた手仕事による物までネットで買えちゃいます。相手もわからないのに魂を込められるのがプロなのか、それ自体が偽りなのかはさておき、世の中に“あなたのために”というものがあまりにも無くなっている気がします。今、揺れている教育界でも、そして国家の基盤である家庭ですらもそうなってきているし、地域だともっと人間関係が希薄になっていろいろなことが起きていると思います。本当に何とかしなくては。
前述のお客様の話です、知的障害を持ったあるお子さんが、施設で小さい子におにぎりの作り方を教えている時に
「心を込めて握るんだよ。心もおいしいよ」と言ったそうです。話を聞いていて涙が出そうになりました。そして、この感性が育む社会が大切なんだと思いました。私たちも、住まいづくりを通して、そのご家族と職人さんと真心通わせたつながりを大切にしたいと思います。これからもずっと、そして今まで以上にがんばります。


 「年末に向けて」
 2006年もあと一ヶ月ほどで終わろうとしています。今年は大きな台風が東海地方を通過することもなく、被害も少なかったと思いますが、大掃除の時期でもありますので、是非建物内外のチェックをしてみて下さい。

まずは、“大掃除のコツ”
@ スケジュールを立てる:師走はあっという間。無理なくムラなくお掃除を進められるよう、計画的に進めましょう。外に面した窓を徹底的にきれいにしたい、普段お掃除しているところは軽めにするなど、メリハリをつけましょう。時間配分と優先順位をはっきりさせ、掃除する場所と順序を決めましょう。
A 掃除道具と洗剤の確認:いざ、始めようという時に、洗剤や掃除道具がないとがっかり。事前に、台所用洗剤、住居用洗剤、クリームクレンザー、カビ取り用洗剤、トイレやお風呂用洗剤、漂白剤、ワックス等の有無をチェック。又、使い捨てのボロ布や使い古しの歯ブラシも多めに用意。ナイロンたわし、スポンジ、つめブラシ、先をヘラ状に斜めに削った割ばしなどは、キッチンのお掃除にあると便利です。古新聞は窓ガラス磨きや養生シート替わりに、綿棒は細かいところやオーディオ、パソコン関係のお掃除に重宝します。 どこをどのように掃除するのか、前もって準備をしておきましょう。
B 家族みんなで楽しく:一日で出来ることには、限界があります。家族で、それぞれ分担して出来ることをしましょう。子供たちには、身の回りや安全なことを中心に、力仕事に強い男性には、大きな面積の窓ガラス磨きやお風呂掃除などを。体を使ってするお掃除は、きれいになったという満足度や達成感が味わえ、家族の連帯感が自然と生まれるのではないでしょうか。
C 洗剤や道具は適材適所に効果的に:台所用、お風呂用、トイレ用など、様々な洗剤があります。その場所の汚れの成分によって使用する洗剤の成分が異なります。最適な洗剤と道具の組み合わせで効率良く汚れを落としましょう。油汚れは酸素系漂白剤のつけ置きをすると後で落としやすくなります。カビやタバコのヤニもきれいに!そして、楽に落とせる様、つけ置きや湿布法(レンジ回りなど、しつこくこびりついた油汚れには洗剤を塗って、ラップで湿布)などを活用して時間も短縮しちゃいましょう。

そして
“住まいの点検”
@ 外部:屋根で瓦のズレなどの異常はないか、樋の金具は大丈夫か、外壁に傷みはないか、雨戸は閉まるか、網戸や外部建具の動きはスムーズか、網戸のやぶれはないか、基礎に蟻道(シロアリの作った道)はないか など
A 内部:内部建具の動きはスムーズか、障子や襖のやぶれはないか、トイレ・キッチン・洗面などの水回りに故障はないか、床下の状態はいいか など
B 季節柄:凍害・雪害に備えましょう

掃除と点検を同時に行う時、道具と知識があれば、ご自分で直したり、調整したりすることもできますが、異常を発見した時やわからない時、そして不安な時にはいつでもご連絡下さい。

★住まいの不具合・ご質問等がございましたらいつでもお気軽にご連絡ください。
ホームサービス専用 Free Dial 0120-71-6527《 365日 24時間 電話対応 》

 
ほんじょうじん 丸宮竹材  宮崎 光さん

(本庄工業の社員やわたしたちを支えてくれている業者さんの素顔を紹介します。)
 今ではあまり見られなくなった土壁(竹小舞荒壁裏返し塗り)の住宅。今でもその技術を受け継ぎ、年に70棟以上を手掛ける丸宮竹材さん。宮崎さんはこの道22年の職人さんです。本庄工業施工の土壁住宅の荒壁を一手に担い、お施主さんとの荒壁塗り体験も快く引き受けて下さっています。他県の歴史的建造物の寺院再生の仕事なども手掛けられ、延べ1ヶ月以上に亘る出張になることもあるそうです。
ところで1棟の住宅に荒壁土がどれだけ使われるか想像できますか?―40坪の家の外壁に約10t。1日職人さん3人がかりで5〜6tの土壁を塗ります。1人当たり2tを左手で支え右手で塗り続けるわけです。今更ながらすごい仕事ですよね。
「仕事は楽しくなければ永く続けられない。自分はこの仕事だから続けられる。」「始めにいい加減な仕事を覚えればずっとその仕事で良いと思ってしまう。最初からしっかりとした仕事を覚えれば手抜きの仕事はできなくなる。家が完成してしまえば見えない部分の仕事だけれど、だからこそきれいに仕上げたい。」「10人が塗れば10通りの仕上がりになる。塗った職人の人間性が出る。」お話を聞かせて頂いていても、朴訥とした人間性が伝わってくる宮崎さんです。
これからもマニュアルありきの仕事ではなく、その人が表れるお仕事。その人が表現できる宮崎荒壁を期待しています。宜しくお願いいたします。

ちょっとになる話 「ほむらの会」
       
 「薪ストーブ」が見てみたい。自分の家にも設置を考えたい。と思っていただけるお客様が、この時期特に多く森のすみか展示場ご来場いただけます。「薪ストーブ」が点火しているか確認の電話があるほどです。そして現在19のご家族が実際にご自宅で薪ストーブを楽しみ、5家族がプランの中に薪ストーブの設置をお考えです。
そのご家族で薪ストーブライフを楽しむ『ほむらの会』が構成されています(ほむら=火群)。昨年の冬から「薪割り体験」「煙突掃除体験」等の企画を取りいれ、今までに4回の会合を持ちました。ピザ焼きを企画すれば「自家菜園のバジル」が届いたり、「手作りクッキー」や「おいしいコーヒー」を振舞ってくださったり・・・。「薪割り体験」では、メンバーさんのお宅に集まり会合を持ちました。(多人数で押しかけ本当にありがとうございました。)

また、『薪を安く手に入れる方法は?』−『○○公園で樹木を切ってたから今なら広葉樹がタダでもらえるよ』『種火起こしには大豆の枯れた茎が良いよ』など情報を廻しあったり。お父さん同士、お母さん同士お子さん同士、『ほむらの会』の日は、一体何家族がみえているのかわからないほどにぎやかです。「薪ストーブ」を通して暖かな家族の輪が大きくなっていっています。

   「生きる」
 『ダッカ日航機ハイジャック事件の際に、当時の首相・福田赳夫氏は『一人の人間の命は地球よりも重い』という言葉を述べました。この言葉の持つ意味の検証はさておき、30年前には人命の価値を多くの人が尊重していたことがわかります。今年42歳になった私が中学生だった時に担任の教師から「自由の国・アメリカというけれど、米国は世界一自殺者が多い国だ。」と聞かされてもニキビ顔の少年にはピンときませんでしたが、その言葉だけは印象に残っています。しかし現在では、米国型の繁栄を追い求め国民に犠牲者がでようとも国益のための戦争を是とするような道を歩んできたことが、命を軽んじる今日の日本の風潮を生み出したのではないかと思います。

「羽田野さんには、よくビンタされた。」という言葉を同年代の何人かの人から聞いたことがあります。本庄工業で長く建築部長を務めた羽田野貢さんは昭和40年代の後半から50年代にかけて『本荘スポーツ少年団』において野球の名・鬼監督でした。当時『本荘』は岐阜市内はもとより県内きっての強豪チームで、後に甲子園で活躍する選手を何人も輩出しました。高校まで野球を続けた私が『本荘』出身の人に羽田野さんとは遠縁に当たるのだと話をすると前述のような言葉が相手から返ってきたものです。
羽田野さんには感謝をしています。本当に支えてもらいました。『部長』という肩書きが若手の成長を妨げているのではないかと思い、『部長』という肩書きを社内から撤廃する提案をした時にも快く受け入れてもらいました。また困難な公共工事を受注した際には率先して現場監督を引き受け、花形の新築工事は若い現場監督を表に立て自らはサポートに回り・・・。一度、厳しい言葉をもらったことがあります。工場内の墨だし作業(位置の基準を決める作業)の時のことでした。障害物が多く、時間がかかり手間取っている時に私が「もう後はメッソウ(目測)でいいよ。」というと、「上の立場のものがそんなことを言ってはダメだ。現場が荒れる。」と・・・。
設計者としてセンスの良い図面も描けるし、現場で差配もし、時には溶接までこなす『建築人』でした。現在、本庄工業の上棟式で私たちが唄っている木遣り唄は羽田野さんから伝承されたものです。川原町泉屋オープニングセレモニーでは本庄の木遣り唄の音頭をとって貰いました。夏前から市民病院に入院し療養していましたが、10月24日の夜に逝去されました。報せの電話をもらった時には体から力が抜け、しゃがみ込んでしまいました。枕元で声をかけても言葉を交わすことはできませんでした。『羽田野さん、ありがとう』
その深夜、羽田野さんの自宅から帰る際に玄関の脇に置かれたパーフェクトゲームの記録が印された盾に気がつきました。それを見たときに高校の野球部の同級生が「鏡島にあったボーリング場で初めてパーフェクトゲームを達成したのは羽田野さんなんやぞ。」と自分のことのように誇らしげに語った言葉を思い出し、また涙が溢れでてきました。

冒頭に述べた風潮に加え、人の生死を間近に見たり感じたりする機会が少なくなったことや、自分を支えている人間関係を感じる機会が少なくなったことも『死』を簡単に、安易に考える人が増えた原因でしょうか?『死』をもって解決できることなどあり得ないのに・・・。
この原稿を書いている途中に岐阜県総務部長の自殺の報道が入ってきました。最も罪深く責任がある人は決して自殺することはないでしょう。北海道・滝川市のいじめ自殺をめぐっては時間の経過とともに事実を明らかにすることは残された者に都合が悪いからと、「臭いものには蓋をしろ」的曖昧な解決に向かいそうだという報道があることに憤りを感じます。組織の責任を一人の人間の死に終わらせぬよう、古田知事には悲しみを乗り越え鬼の心で迅速に事実を詳らかにし、二度と同様の問題を起こすことのない組織に岐阜県を仕立ててほしく思います。川上が汚れていては末端の川下まで汚れてしまうのが自然の道理です。それが古田知事にとっての『生きる』ことの責任でしょう。


ページ上へ戻る